この日は、12日にできなかった鈴木さんの「演技」の振替日です。
急な変更でしたので、参加者は5名。指導の鈴木さんとマンツーマンで、とても贅沢な、手の抜きようがない厳しいレッスンになりました。
レッスンの基本は、一人一人に渡された課題の「読み」です。目の前にいるだろう観客に、一人で語り聞かせます。そしてとにかく求められるのは、「演じる」です。
「キャラクターを作るのも大切だけど、まず演じる、きちんと芝居をすること」
声優の仕事をしているHさんはボイスサンプルを持参。いくつかの声を使い分けたもので、5歳の子供や16歳の女子高生、30代の女性などを、その場で実演しましたが・・・。「声は子供でも精神年齢はあなたになってるよ」、「16歳の初恋のときめきを伝えることが肝心」など次々とダメだし。
鈴木さん、さすがは声の仕事40年現役の方だなあと思うのは、ダメだしだけじゃなくて、それをどう変えるかのアドバイスが早い早い。Hさん、その場で全部はこなせないものの、魅力的になっていく兆しは、こちらにも伝わりました。「いろいろな声が出せますよ、という方向で努力しても、感情を乗せずらい声であれば無意味だし、表現力、結局は芝居できるかどうかですよ。」うーん、ですね。
「大切なのは、見せ場よりも、その前の一見地味な部分」
他の人の課題をやりたくなったWさんにきつい一言。私ならこうやるのに、と思いついた一部分だけ気持よくやって、他の部分は適当に演技したように、鈴木さんの目に映ったのです。
Wさん、もちろんまじめにやってるのですが、集中力がないんですね。うまくできない、思ってたのと違うと感じると、その感情が次のセリフに反映されてしまいます。苦しくてもやり通す、大切なことです。
「よし、じゃあゴキブリで」
Sさんは、課題の「まんじゅうこわい」継続中です。こわい、の置き換えで苦手のゴキブリを登場させましたが、とにかく、こわい感情を、その場で作れなければ先には進めない。短い話ですが、4通りの「こわい」が出てきます。どうやって自分の中から引き出すか、器用ではないSさんができた時には、大きな一歩になると思います。
「助詞をしゃくりあげて、語尾が落ちる癖」
Kさんの課題は、やや長文です。読みこんできて、自分なりにこうしてやろうという表現が少し出てきたのですが、目立ってしまうのが指摘されたのはコレ。Kさんだけでなくて、語尾が消えそうだったり、あっさり聞こえたりする傾向が、多くの人にあります。気をつけるだけではなかなか変わらないところを、一行一行、「この言葉を立てるようにすれば、語尾まで大切に言えるでしょ?」と指導。か、な、、り、すんなり聞こえるようになりました。
「話はすんなり聞けるけど、見てて面白いかどうか」
8年近く劇団員のYさん、さすがにこうしてやろうという意欲にあふれた演技でしたが・・。課題の昔話「かみのない所」は、まず、小便をこらえている様子がどこまで伝わるかが肝心。そこはYさん、無難にこなしているように見えたのですが、鈴木さんの要求は「もっと」でした。最後のぎりぎりの状態のために、前半を加減するのではなく、いきなり限界から演じ始めたら、その後は?それを見せてと。
Yさん、次回からの課題を渡されると、なぜかとてもうれしそうでした。
次回から、しばらくぶりに萬劇場で開催です。萬・イイムラ